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コントロールするということ

人は無意識のうちに人をコントロールしている

自分と相手の境界線が曖昧になっていたり、自分の領域に踏み込まれていると感じることはありませんか?これは、家庭や学校、職場で頻繁に起きうることです。例えば、家族や恋人の不安定な感情や怒りなどによってあなたの行動がコントロールされている。こうしなければ、こうしてあげないと親に条件でコントロールされている。あるいは、上下関係のある友人に付き合いをコントロールされているなどです。

 

どのような人がコントロールしてくるか?

 

様々なケースがありますが、私の考えは自分に自信のない人がコントロールするというものです。ただし、そのパターンはいくつかあるように思います。

 

①支配欲が強い

②見捨てられ不安が強い

共依存状態にある

 

ここで言う自信がないというのは、その人の置かれている立場(役職や相手との関係性)と実像としてのその人に乖離があるということです。つまり、メタ的になりますがその人がその人であるということに自信がない状態です。これは、現時点のみを指すのではなく過去も含みます。その人自身を形作ってきた行動、健全な心の成長などに問題があればどこかで自分への自信がなくなってしまうでしょう。

 

①については単純に支配すること自体に快感を覚えるケースです。家庭では家父長制に代表されるいわゆる怖い父親でしょうし、会社などでは支配により自分の立場を維持しようとする上司などが考えられます。

②については子供をイメージするとわかりやすいでしょう。特に小さな子供は全てが不安で、親が絶対です。幼児期にたくさんの愛情を受けて、普遍性、つまり明日も変わらず明日がくると信じられることで子供は社会や他者への信頼を育んでいきます。この時期にトラウマになるような出来事や情緒的な愛情が注がれていない場合は、無意識のうちに見捨てられ不安が心にはびこり大人になったとしてもいろんな方方法で身近な人をコントロールしようとするでしょう。自分が見捨てられないように。

③については少々複雑です。共依存というのは、元々はアルコール依存症患者(主に夫)とその配偶者(主に妻)の関係性に着目して意味づけられた概念です。

共依存とは、自分と特定の相手が互いに過剰に依存し合い、その関係性に囚われている状態のことを指します。言い換えれば、お互いが相手に依存するあまり、自分自身を見失っている状態と言えるかもしれません。依存にも様々な種類がありますが、その中でも共依存は“関係性への依存”と言われています。元はアルコール依存症の患者とその家族の関係性から生まれた概念でした。飲酒の問題を抱える夫に対して、妻は自分を犠牲にしながら献身的に支え、世話をしますが、当事者の夫はますます酒に溺れて負のループに陥るといった具合です。今ではもっと広い意味で『問題を起こす人と、その人を支える人(問題を代わりに解決してあげようとする)という関係性に対して使われるようになりました。

 

特に自我が確立されていなかったり、自分に自信がない人がどうしようもない相手との関係性に取り憑かれるケースが多いようです。中には職場の上司と部下や親子でも共依存になるケースがあるようです。以下にチェックリストがあるのでぜひご覧ください。

 

□自らを犠牲にしてでも他人を助けたり、世話をする
□自分に対する評価はいつも低めで、自分に自信が持てない
□自分とは何か? と言われると困ってしまう
□何事に対しても一人でやっていけるという自信が持てない
□他人の行動、感情、生き方が気になり、変えようとコントロールしてしまう傾向がある
□他人のことも自分ごとのように思えてしまう時がある、あるいは相手の問題は自分のせいで起きていると思うことがある

そして、私の考えですがアダルトチルドレンはコントロールしたりされやすいと考えています。根本的に原家族の関係性において無意識の内にルールに縛られてきたわけですから、健全な自信や自己肯定感に欠如がある傾向があるのです。そのため、過度にコントロールしようとしたり、コントロールされている状態の方が落ち着くといった病理的な状態に陥りやすいのではないでしょうか。

 

普通のフリ、何かのフリをついついしてしまうアダルトチルドレンはとても生きづらいです。その時そのフリをしている自分は誰でしょうか。過去に守ってあげられたくて守られなかった、身を挺して犠牲になって自分を未来へ送り出してくれた小さい頃の自分自身なのです。いまだに自分を守ろうとしてくれているのです。コントロールしている時、されている時はマトリックスに侵入する瞬間のように自我がグラついています。それがサインです。

 

自分を守ってくれた小さい頃の自分のためにも、勇気を出してコントロールにNoをしましょう。